MCに公共交通機関で辿り着く方法〜安田のぞみ(MC06−08)

MUWCIではいつも土曜日に、朝と午後の2回、プネへのバスが出ている。

バスの料金は往復で50ルピー。MUWCIから1時間半くらいの道のりだが、プネでは買い物ができるので私もよく行っていた。

最初のうちはMUWCIの生徒がよく使うスーパーにたどり着くのにも迷っていた私だが、さまよっているうちに野菜や果物を売っているマーケットを見つけたり、そのうちリキシャーを使って少し離れた所にも行けるようになったりした。

普段、課外活動以外にあまりキャンパスをおりる事がないので、プネの町を歩いて様々なものを見るのはとても楽しかった。

そんなある日、放課後に友達がプネの歯医者へ行くのに付き添いで行く事になった。平日だったので、ジープか何かで行くのかと思いきや救急車が用意されていたので驚いたのを覚えている。人が横たわれるような寝台がついただけの救急車だが、救急車で歯医者まで行った経験を持つ人はなかなかいないだろう。友達はただの虫歯だったのだが、2人で広々と救急車に乗った。

プネの歯医者に着いて、友達の治療が終わるまで少し時間があったので、私は戻ってくる時間を友達に伝え、買い物をすませてしまう事にした。そして買い物を終えてリキシャーで戻ろうとしたのはいいが、困った事になった。渋滞につかまってしまったのだ。友達に連絡する手段もなく約束の時間に遅れてしまい、歯医者にやっと戻ったときには救急車は出発してしまった後だった。

私はなんとかリキシャーの運転手に話をつけ、ローカルバスの停留所まで連れていってもらった。しかし、どのバスがどこに行くのかさっぱり分からない。結局、リキシャーの運転手がMUWCIに近いPaudという村に行くジープを見つけてくれた。

それは乗り合いジープだったのだが、普通に考えて9人乗りだったと思う。そこに最終的には私も含め14人くらいと大きな麻袋の荷物がいくつも積まれて出発した。

私が乗るとき、先に乗っていた人達は私を見ると不思議なものを見るような顔をしたが、すぐ席をつめてくれた。こんな時ヒンディー語やマラーティー語ができてこの人達と会話できたらいいのに、とぎゅうぎゅうに詰まったジープの中で思った事を覚えている。

向かっている方向が正しい事は分かっていても、すでにもう周りは暗くなっていた。MUWCIの明かりが見えてあれほどほっとした事はない。

途中で人や荷物を降ろしながら、ジープは無事Paudまでたどり着いた。15ルピーだった。

今思うと、かなり大胆な事をしたかもしれない。だが、用意されたバスやジープに乗るだけでは知る事のなかった、地元の人達の生活の一部をほんの少し垣間見る事ができたと思う。

インドでの忘れられない一日の1つとなった。